
こんにちは。
公認心理師の中越です。
僕の新刊『傾聴の極意』がとうとう発売されました!!
正式タイトルは、『傾聴の極意 「カウンセリングの神様」カール・ロジャーズの教えと〈これからの聴き方〉』。
長いので『傾聴の極意』と呼んでます(笑)
読んでいただいた方からの評判は、すこぶるいいです!!
超超超うれしいです!!!
さて、
本を書いていると、めちゃくちゃよく質問されることがあります。
それは、
「どんな経緯で本を出版することになったのですか?」
というもの。
心理カウンセリングが好きな人は、読書好きの人が多い。
だから、本を出したい人も多いのでしょうね。
そこで今回の『傾聴の極意』の出版の過程を、お話ししようと思います。
実はこの本を書き始めたのは、1年半ほど前。
僕がカウンセリングルームの、廃業騒動を起こしていたときです。
長引くコロナ禍で、うちのカウンセリングルームがほぼ廃業決定。
リアルな話。
どれだけ僕が続けたいと思っても、僕の貯金通帳がNOを突きつけます。
コロナ禍は4年ほど続きました。
やっかいなのは、当時はいつ終わるのかまったくわからなかったこと。
最初は、数ヶ月で終わるだろうと思ってました。
でも、まさかまさかの4年も続くとは。
カウンセリングは飲食宿泊業でないので、補助金もわずかなもの。
残念ながら、4年も耐えられるほどの貯金はさすがになかったのです。
経費、維持費だけでどんどん貯金が減っていきます。
しかも、そこに育児と公認心理師試験が重なりました。
まさに三重苦。
利益の出ない日常の業務もあり、四重苦です。
実はここでメンタルダウンしちゃいました。
もうはっきり書くと、うつ病が再発しちゃったんです。
かなり重く再発しちゃいました。
「カウンセラーのくせに、
自分のメンタルケアもできないのか…」
いつもの悪いクセで、どうしてもこう思っちゃう。
でも、いま考えたら、それは病気にもなる状況です。
どう考えたってしんどすぎる。
コロナで収入がないどころか、経費と維持ばかり出て行く。
泣いてる赤ちゃんを抱っこしながら、試験勉強をしている。
コロナ禍の子育てで、元妻にもSOSなんて出せない状況。
そして、心の中はどんどん減っていく貯金で不安がいっぱい。
しかも、それがいつまで続くかわからない、コロナという天変地異。
人間にとって、いつまで続くかわからないストレスが、一番苦痛。
心理学ではそういいますが、まさにその通りでした。
お金もないし体調も崩しちゃったし、これはいよいよ廃業しかない。
むしろ廃業しないと、いろんな人に迷惑かけちゃう。
だって、ある日突然、「今日で廃業しました」。
これはできないのです。
なぜなら、いままで来てくれていた相談者さんが、困っちゃうから。
なので、廃業するなら、数ヶ月は前に告知をする必要があります。
僕は、
「次回のカウンセリング講座の受講生が集まらなかったら、廃業します」。
それを動画やメルマガ、ブログで宣言しました。
めちゃくちゃ嫌でした。
「天職探し心理学なんていってたのに、廃業するの?
そんなの全然、天職じゃないじゃない…」
そんないじわるな声が、自分の頭のどこかから聞こえてきます。
でも、仕方ありません。
この廃業宣言をするときが、自分の中で一番しんどかったです。
子供のころからの夢だった心理カウンセラー。
学生時代に一度あきらめた心理カウンセラー。
社会人になって夢を叶えた心理カウンセラー。
茨の道を1人、努力と工夫で歩んできたのです。
そんな、18年も積み上げてきた自分の夢を、自分でぶち壊す宣言です。
ただ、廃業宣言したことで、少し肩の荷が下りました。
「これである日突然、廃業したわけじゃない。
最低限の誠意は尽くした。
コロナという天変地異もあったし、仕方ない。
自分にできるだけの努力はやったんだ」
ここからしばらく休養しなきゃいけない。
とにかく心身を直さないと、バイトの面接もいけません。
でも、いざ休みになると、やることがないんです。
うつの時にやることがないと、人間、悪いことばかり考えます。
本当にピンチの時。
ポジティブ思考なんてできません。。
大量にもてあました時間で、悪いことばかり考えちゃう。
それは、ただただ苦痛でした。
なので、なんとか気を紛らわそうとします。
ところが、好きなゲームをしてもネットフリックスを見ても、全然ダメ。
な~んにも集中できません。
すぐに悪いことばかり考えちゃいます。
で、どうせ気を紛らわせないのなら、心理学に関することをしよう。
僕は18年やってきた、自分の心理カウンセリングを、まとめようとしました。
18年もやっていると、中越流のカウンセリングができてきます。
中越流のカウンセリングは、ホープセラピーです。
いつかそれをまとめたいと思っていて、ずっと先延ばしにしていました。
「どうせここで廃業するんだ。
誰にも読まれなくっていいや。
遺作として書いてみるか…」
不思議なことに、それを書いているときだけ、嫌なことを忘れられました。
どれだけ好きなゲームでも、まったくダメだったのに。
だから僕は、毎日書き続けました。
毎日毎日、書き続けました。
書いているときだけ、幸せでした。
自分の大好きなカウンセリングを、自分のためだけに書いてみたい。
ある意味それは、一番贅沢な時間かもしれません。
できあがった文章は、ひどいものでした。
うつ病の人間が、廃業するまでに書いたのです。
めちゃくちゃ暗い原稿の出来上がりです。
でも、他の本にはない、確実なオリジナリティがありました。
だって、18年こっそり積み上げてきた極秘のレシピです。
暗い暗い闇の文字列が十数万字と異常なまでに溢れかえっています。
でもそのなかに、鋭く光るあたたかい希望がありました。
それは針の先ほど小さいけれど、たしかに希望の光でした。
あたりが真っ暗にだからこそ気づける、針の先の小さな光。
それは僕の生命的叡智でした。
いや、人間が持つ生命的叡智でした。
「どうせ廃業するんだから。
恥のかき捨て、ついでの恥。
昔お世話になった編集者さんに、
送ってみよう。
ダメでもともと…。
ダメならPDFにして、
ネットの海に流そう…」
OKでした。
まさかのOKでした。
絶対ダメだと思ったのに!!!
人生、何があるかわかりません。
「え!?うそ?
え!?うそ?」
メールを見たときの僕の反応は、マジでこれ。
ただ、そこからが大変です。
もともと廃業予定で、僕しか読まない前提で書いた本。
なので構成もなにもなくめちゃくちゃです。
内容的にも暗すぎて商業出版になりません。
読者にとって読みやすくあたたかい本にしたい。
だから、
専門家にしかわからない言葉などは、ほぼ削除。
読者に必要のない僕の主義主張も、全部削除。
針の先程のあたたかい希望の光を、少しずつ大きくしていく作業。
それに1年半ほどかかりました。
結果として、僕が恩師の先生から学んできたこと、体験してきたこと。
僕が相談者さんたちに教えてもらった希望の光。
カウンセリング、傾聴を通して見える人間のあたたかい希望の光。
それが大量に詰まった本になりました。
中越流カウンセリングの奥義は、ホープセラピーです。
でも、まさかそれがこんな形で実現するとは、夢にも思いませんでした。
僕の10冊目の本。
『傾聴の極意』は、誰にも読まれない予定で書いたのです。
なにしろ、廃業する予定でしたから。
でも、書き始めなければ、絶対に出版はなかったです。
そもそも1冊目の本も、よく考えれば同じです。
20代後半の派遣社員の男の子。
つまり、昔の僕。
全然読者が増えないけど、地道に続けていたメルマガ、ブログ。
いまでいう底辺YouTuberみたいなものです。
そんな僕のメルマガ、ブログを見て、出版社からメールが来たのです。
本を書くために必要なのは、まず「書くこと」。
本当にそれが一番大事です。
そして次は、「続けること」です。
さらにそこから、「練り上げること」です。
書く。
続ける。
練り上げる。
この3つがそろえば、なんとかなります。
だって、
書き始める人は10人に1人。
続けられるのは10人に1人。
練り上げるのは10人に1人。
10×10×10。
それは1000人に1人の文章になるのです。
後は多少の行動力があれば、さらに10倍。
まさに万が一。
一万人に1人の文章です。
心理学が好きな人は、本が好きな人も多いです。
なので、本を出したい人も多いと思います。
だからこそ、
「どんな経緯で本を出版することになったのですか?」
とみんな質問をしてきます。
その第一歩は、とにもかくにも書き始めること。
廃業しかけでうつ病になった人間にも、『傾聴の極意』が書けたんです。
あなたが本を書けたって、なにもおかしなことはありません。
今日はたったの1行だけでいい。
ほんの少し自分の言葉を書き出してみませんか?
その1行が、希望につないでいくのですからね。
そんな希望が詰まった僕の新刊。
『傾聴の極意』。
ぜひぜひ一度読んでみてください!!
きっと読んで良かったと思えるはずですよ~。
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■ 編集後記
無事出版されて、一安心。
ただ、ちょっと疲れが出てますね。
廃業を乗り越え、本の出版まで。
息つく暇もなかったです。
お正月も本書いてたもんな~。
もう少しすれば、
ちょっとゆっくり出るはず。
あと、
いまは体調バッチリなので、
ご安心くださいませ~。
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コメントをお書きください
のぐちあきら (火曜日, 25 3月 2025 08:00)
僕の気持ちを少しここに記してみたいと思いコメントします。
傾聴の極意、拝読させていただきました。もともと中越先生の「天職の見つけ方」を拝読したことがきっかけで中越先生の存在を知り、先生のカウンセリングも受けたことがありました。
上手く言葉では表せないないのですが、中越先生の本を読むと、活字なのになぜか心が癒させるというか優しさが伝わってくるというか、とても暖かい気持ちになるんです。
当時自分の思いとやっている仕事のギャップが大きく悩んでいた時に、コーチングを何度も受けていました。コーチングは前に進むエネルギーを与えてくれるし、僕はとっても大好きなのですが、時折疲れてしまったり、それでも変わらない現状に嫌気が指すことがありました。
そんな時先生のカウンセリングに出会って、先生の傾聴の技術、来談者への関わり方に驚いたことを今でも覚えています。
とにかく話を聞いてくれる、もう全部話せたかなと思ってもまだ話を聞いてくれる、そしてちゃんとご自身の意見も言ってくれる、あーカウンセラーってすごいお仕事だなーと。
当時僕は自分と同じような辛い思いをしている人を救いたい、というよりそういった思いをしている人の側にいたいと思うようになり、コーチングの勉強をしたり、キャリコンの資格を取ったりと必死で現状を変えようと私なりに努力していました。
縁あって組織は同じですが、今は当時の仕事とは少し異なり人事に関する仕事をするようになりました。これで自分のやりたいことに少しは近づけると思っていましたが、そう簡単ではなく職種が変わってから2年が経過しました。
それでも当時の自分と同じような思いをしている人の側にいたいという気持ちは心の中にずっと持っていました。なのでアプローチ方法を変えて試行錯誤しながら自分がやってみたかったコーチングやカウンセリングを仕事にできないか模索していました。
そしてなんとこれも縁あって明日お金をいただいてキャリアコンサルティングをする機会をいただきました。お相手は法人の従業員様数人と。
この1週間程前に中越先生の傾聴の極意を拝読することができたことも、とてもご縁を感じる出来事でした。
初めての経験ということもあり、明日は自分が思っているような面談は恐らくできないと思います。ただ中越先生のカウセリングへの思いは、1ミリぐらいは私に転送されているように感じています。
1文とは思いながら想いが溢れてしまいましたか、先生に伝えたいことは感謝です。まだ何も成し遂げてはいませんが、私にとってはやっと小さな一歩が踏み出せたように感じます。
本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
お身体にはお気をつけいただいて、中越先生の益々活躍される姿を心から願っております。
最後まで読んでいただきありごとうございました。
中越 (火曜日, 25 3月 2025 20:26)
のぐちさん
こんにちは。中越です。
コメント読ませていただきました!!
すっごくうれしいです!!
お金をいただいてキャリアコンサルティングをする機会を手に入れた。
それはのぐちさんが、いままでちゃんと勉強し続けてきたから、自分なりの努力をずっと続けてきたからだと思います。
そういうタイミングで『傾聴の極意』を読んでいただけるなんて、僕も本当にありがたい限りです!!
なにも成し遂げていないなんて、とんでもない!
自分の努力でそういう機会を手に入れたことは、大きな大きな成果だと思います。
まさに、いままでののぐちさんの小さな一歩の積み重ねがあったからだと思います。
その調子でこれからも小さな一歩を歩み続けていただければ、本当にうれしく思います。
応援しています。